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2004.03.25

怪獣番組と少年

今日はテレビの怪獣と当時のチビッコの話をする。

毎日休まず更新していこうと思っていたのだが、1日開いてしまいましたね。
それというのもマシュー・ペリー(フレンズのチャンドラー)が主演している『隣のヒットマン』を水曜ロードショーでやっていた(しかもフレンズと同じ水島裕の吹き替えだ!)のと、BS2でマンガ夜話の再放送・『ぶっせん』の回をやっていたためだったりする。
なんだ、テレビ見てたのね。
そうである。ワシらの世代はテレビっ子が多かったのである。

ワシらの世代の怪獣ファンという人種にとってテレビは凄く重要なメディアである。
映画の怪獣は年に2・3匹くらいしかやって来ないが、テレビの怪獣は週に4・5匹やって来るのである。
そういう時代に少年時代を過ごしたのである。
どこのご家庭にもたいがいテレビはある。そしてまたその頃はゴールデンタイムに怪獣モノをやっていたのである。なんたって野球の放送が雨で中止になる(その頃は球場に屋根なんか掛かっていなかったのだ)と、替わりに怪獣映画が放送されるくらい、怪獣は大事にされていたのだ。
今の時代なら放送を見逃してもビデオ化を待ったり、衛星放送でやったりするけれど、当時のテレビっ子は大変である。放送を逃したら、もう2度と見る事は出来ないと思っていた。決死の覚悟で見ていた。親に叱られようと近所で火事があろうとテレビにかじりついて見ていた。何かの事情で見たい番組が見られない事が決定する(家族でどこかに出かけなければならないとか)と、天を見上げて拳を握りしめて泣いたのである。
あ、今笑ったね、そこの若い人。でもホントなの。
お父さんとかに聞いてみなさい。
「俺は泣かなかったけど、そんな話はあっただろうなぁ」って言うから。
で、そう答えたお父さんはきっと泣いている。

そんな固い決意で見ていたのなら、さぞかし当時の怪獣番組は素晴らしかったんだろうねぇ。
と、思うかな。思わないか。
素晴らしい番組もありました。
でもひどい番組も沢山あったのです。何とは言いませんけど。
当時の結構面白かった番組でも今の番組と比べたら見劣りすると思います。
やっぱりね。技術は進歩するからね。
しかし、どんなにひどい番組でも必死になって見てました。
なぜか?なぜなら他にする事無かったんですから。

ちょっと考えてみて欲しいんですが、貴方、一人でお家に居る時は、暇つぶしは何やってますか?
ゲーム、友達と携帯で話してる、ネットをぶらつく、ビデオ借りてきてみる。
そんなの当時は全部ありません。
怪獣番組を見て、しばらくその余韻に浸り、今日の番組内容を反芻して確認し、手持ちのおもちゃで出来るだけ今日の場面を再現してみたり、落書き帳に忘れないうちに今日出た怪獣の絵を描いておいたり、思い着いたことを描き留めておいたりしました。
いや、濃い子はそのくらい平気でしてた。してたよ。
ワシらの世代はあの頃の事を『濃厚な怪獣との蜜月』と呼んでます。
ウソです。呼んでません。

発展途上の頭脳で沢山の怪獣に対する考察が生まれては埋もれていった事でしょう。
クラスに必ず一人か二人、怪獣博士と呼ばれる子供がいました。
テリトリーに怪獣博士が二人居ると大変だよ。
資料の数は奴の方が多いがどっこい俺の方が質が高い、とか、しまった!新作ガメラの情報で奴に遅れを取った、とか、今日奴に歩み寄ろうとしてみたがやはり無理だ!奴は星人派だが俺はゴモラ派なのだ、とか。
怪獣学でイニシアチブを取る為にはたゆまぬ研究をしなくてはなりません。
金と人脈だって大事ですよ。
資料を集めたり映画を見に行ったりといったまっとうな使い道ももちろんですが、クラスでの発言権に力をつける為には友達に5円の駄菓子を奢ったりもするでしょう。お菓子で誘って研究発表会(もちろん自分ちで)に人を集めたりもした筈。
人脈だと、女の子のリーダー格辺りを味方に付けるとか、スポーツ万能な奴を学説の広告塔にするとか、真面目に勉強しといて先生を味方に付けるとか。
あはは。大学の研究室と少しも変わらんね。
大人になってもそんな事してるなんて進歩ないねぇ。
研究の方もどんどん進める訳です。
教室では休み時間にお互いの学説を発表しては意見を戦わせ、別のクラスに同じ派閥の友を見つけたり、学年の上の怪獣博士の研究成果を見て驚愕したり、学会誌(学習雑誌とか少年誌のグラビアとか、もちろん怪獣の記事)をライバルに買われない内に捜し歩いたりとか、そこに自分の説が掲載されたで喜んだりとか。まさに研究者。
何で円谷プロの人とか東大の生物学者とか呼んで『チビッコ怪獣学会シンポジウム』とかが代々木公会堂で開かれなかったのか不思議なくらい。
どうして怪獣モノに博士とか出てくるか、これで解ったでしょう。
その方が子供たちの親近感が湧くからです。
ウソ。これもウソです。信じてはいけません。

そういう子供時代を過ごした少年たちが大きくなって今の社会になっているかと思うと…。
可愛らしいですな。<そうか?

しかしですよ。
まだ今のうちは社会でも中堅どころに居るワシらの世代ですが、これがあと20年もするとどうなるだろう、と考えるとちょっと恐ろしくなったりします。
何でかって?
だって貴方、50~60になったらきっと政治の世界に食い込んでくる奴とかも出てきそうじゃないですか。
怪獣博士の子なんてたいがい腕っ節の方は駄目なもんだから口は良く回ったりしたもんです。
食い込んだらきっと美味い事やるに違いないよ。
どんな法案出したりするのかなぁ。
怪獣攻撃チームとか、たいがい税金使った公然の秘密組織だったりするんだよなぁ…。
怖い、怖い。

<自分を棚に上げてはいけません。

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