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2008.04.28

カッコいい怪獣の罠

怪獣ファンが考えちゃうカッコいい怪獣というものには、知らず陥ってしまう罠がある。

…というお話。

そもそも昔は怪獣の姿を考える職業というのは無かったわけ。
いや、今も無いか。

アニメでメカデザイナーという職業は、今でこそ成立しているが、昔は無かったのよ。知ってるね。大河原さんとか、中村光毅さんとか、タイムボカンだのガッチャマンだのの敵メカをデザインしてる頃はメカデザインという職名じゃなかったのね。スタジオぬえがマジンガーやコンバトラーの透視図解だのを書いてる時も設定協力とか呼ばれてたよね。
メカデザイナーという言葉が歩き出したのは、製作現場ではなく、むしろアニメ誌とかの媒体のほうが先だったと思う。これもやっぱりガンダム辺りからかなぁ。サンライズで出渕さんが仕事を始めた辺りから、その辺の仕事をする人をメカデザイナーと、クレジットでも表記するようになった訳だ。

特撮の方では怪獣デザイナーという職業の人は居ないからねぇ。
個別の作品で怪獣デザインとか、クリーチャーデザインとか表記される場合は有っても。

なぜかというと、それ専門で食べて行けるほど、作品が作られ続けてる訳ではないからってのは解るよね。

で。

今でもそうなんだから、昔なんか、怪獣をデザインするのは、美術のスタッフで絵の描ける人に任されていた訳だ。
色んな物を参考にしながら、その人の感性でカッコいい怪獣というのを形にしてった訳だから、色んな試行錯誤が有ったわけだと思うねぇ。
そんで現在。
カッコいい怪獣を怪獣ファンが考える時に、『怪獣のかっこ良さ』みたいな定義が出来上がっちゃってる訳。そこに罠があるんじゃないか、と思う訳。

例えば有る怪獣ファンがカッコいい怪獣を描く時にこんな怪獣を描いたりする。
Kaiju01 まあ、適当に描いたから荒いのは勘弁してくだされよ。
これがどういう怪獣かというと、頭がドラゴンっぽいわけだ。そんで、二足恐竜型と呼ばれるタイプな訳。ほんで翼状の物が体の両側に突き出してるのさ。たぶん尻尾は長いのね。ほいで筋肉っぽい鎧っぽい瘤が並んでる訳だね。あと、背びれ。
大体こんな感じになると思うんだけど。
これがほんとにカッコいいのかどうか、って事なんだな。

問題があるのは、この手の怪獣は条件反射的自動書記で書けちゃうって事なの。
見栄えは良いかもしれないし、キーポイントとかそれぞれ設定して有るだろうけど、この手の怪獣はどれも似た感じになっちゃうんだよね。
なんで似ちゃうかって言うと、元になってる『カッコいい怪獣の定義』が同じ物だから。

最近の怪獣に名怪獣があんまり居ないのは、このせいなのかもしれんと思う訳。
昔、怪獣を考えてた人たちは、みんなに共通する『カッコいい怪獣の定義』なんて持ってなかったのさ。
自分の感性に従ったカッコいい怪獣を考えてたわけだ。
だから下手こいてトンデモな物が出来上がっちゃったりする奴も沢山居るけど、個性があったわけだ。で、そういう沢山の怪獣の中から名怪獣が出てきたりするんでしょ。
名怪獣でなくても、味わいのある良い怪獣が出来るのね。

だから、一遍頭の中から『カッコいい怪獣の定義』なんてものは忘れてさ。冒険してみて欲しいわけ。
こんなのでかっこ良くなるのか?見たいな地点から始めてみるとかさ。

そういうのが楽しいと思うのさ。

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