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2009.09.26

ゲームのキャラクターとしての怪獣

そもそもクリーチャーには怪獣としての魅力が薄い。
クリーチャーのデザインをする時に陥りやすいのは、リアルな生物感を求めるあまりに、象徴性を失う所だ。
まあ、ほら、極端な話だが、クリーチャーに「交通事故で死んだ少年の怒り」だとか「まだ使えるのに捨てられたハーモニカの悲しさ」だとか、その手のものは求められない。
下手すると、その手の物を求めた時にクリーチャーっぽい特質が破綻する怖れもあったりする。
然るに怪獣の場合、その手の要求にも柔軟に応えられる柔軟性を兼ね備えていなければならない。
もちろんデザイン的にただ表現されているばかりではなく、演出やお芝居を通じて(場面を構成する要素とかも)集約されて見事に表現された時に、名怪獣として成り立つのである。
すなわち感情に訴える事も可能になってくる。
それが怪獣である。
つまりゲームとかで単に敵役として存在してるようでは、クリーチャーには未来が乏しい。
いくら手の込んだデザインだろうと、その存在にストーリーがなければ魅力的にはならない。
要するに、何処そこに生息していて、攻撃力はこれくらいで、倒すのにこれくらいのレベルが必要で、弱点はモーションAのあとに3秒間停止した時頭を攻撃するのだ、なんていう貶められた設定ではいつまでたってもクリーチャーからは名獣が生まれてこないのだ。せいぜい恐怖に訴える(倒しにくくて何べんもやられたとか)くらい。
だからクリーチャーにももっとキャラクター性を持たせるべきなのだ。そしてキャラクターを生かしたお芝居をさせるべきなのだと思う。
その世界で、そいつが存在するためにどんな影響が出ているのか、その事を掘り下げていろんな面から考えなくてはいけない。
白鯨とか老人と海とかシートン動物記とか、ファーブル昆虫記とかギリシャ神話とか、クトゥルフとか異性物の造詣に定評のある作家のSFとか、参考になるものはいくらでもある。
もしも感受性が確かなら、そこから「ああ、俺のクリーチャーを生かすのはこういう芝居なのだな」くらいは求められるんじゃなかろうか?
そして、怪獣を直接、画面に出さなくてもこういう筋運びをすれば魅力を与えられるんだ、なんていう勘が掴めて来れば大したもんだ。
もちろんゲームに容量があるのは判ってる。だがそれを言うなら小説にもページ数はあるし、映像作品にだって上映時間はある。
そのクリーチャーと世界のかかわりを意識しているのかいないのか、そういう作り手側の姿勢は画面に滲み出すものだ。
箱しか用意されて無いクリーチャーが多すぎると思うんだ。
ドラマが大事とか言っている奴は、大概、ドラマというものは人間だけに絡みつくものではないという現実に気づいていない。もしくは想像力が足りないといわれても仕方が無い。
そういうところに気の回るストーリーテラーがめっきり減ってるのは、なんとも情けない話であるなぁ。
人間でドラマを語るのが得意なつもりなら、その人間のドラマで何故、その世界に存在する脅威的なものに対する姿勢や事件が起こらないのか、ファンタジーやSFでやるなら特にそのあたりは片手落ち。視野が狭い。端折るにも程がある。SF/ファンタジーから手を洗った方がいい、とか言われても文句は言えなくなる。
クリーチャーは単なる敵キャラではない。
実機の車や第二次大戦の戦闘機や戦車に人知れぬ物語があるように、クリーチャーにも物語を与えてしかるべきだろう。
だから手っ取り早く怪獣の勉強をしなさい。
知らないのよりははるかに利益が大きいから。
もう。
想像力が足りないのにも程がある。

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